2JZ-GTEのウマ味を活かしたストリートチューンの決定版
ベースエンジンがRB26DETTだと高回転型のパワー特性になるが、これが2JZ-GTEだとまるで異なる。エンジンはカム交換のみにも関わらず、下からキッチリとブーストがかかって高回転までパワーが追従するため、乗りづらさを感じることはない。そこには、3.0Lという排気量やトルク型の設計など関係してくるが、このチューンドは620psものパワーを発揮しながらも、ごく普通に乗ることができてしまうのだ。まさにスープラならではのストリート仕様である。
稀代の名馬を、ストリート兼サーキット走行会仕様として“しばき倒している”オーナーの愛機
元々は価格が安かったという理由でNAエンジン搭載モデルを購入して乗っていたが、ある時、フタが突き出たマンホールに車体を引っかけてしまいエンジンを全損。そして、どうせなら…と、ターボの2JZ-GTEへのエンジンスワップを敢行した。現状は吸排気に手を入れたライトチューン仕様だ。
東名パワードが生み出した2JZ改3.6Lキットという名作
それはJZ系エンジンチューニングにおけるひとつのゴールなのかもしれない。86φ×86mmというスクエアストロークを有する2JZ-GTEは、いわゆるバランス型のエンジンだ。それを東名パワードは87φ×100mmにまでストロークアップさせ、総排気量を3565ccまで拡大させたのである。ここまでのロングストローク化を行う場合、当然ながらピストンのピンハイトおよびコンロッドの中心間距離を詰める必要がある。そしてそれは、ピストンの首フリ現象を助長することになり、シリンダーへの側圧が高まってしまう。そう、極端な排気量アップは「諸刃の剣」なのである。