ヘルパースプリングを解説
レーシングカーまたはラリーカーのサスペンションに、メインスプリングとは別に小さなスプリングが付いていることを見たことがありますか?これがヘルパースプリングやアシストスプリングと呼ばれるもので、サスペンションの調整幅を広げてくれます。競技車だけでなく一般車にも使用され、効果を発揮します。
ヘルパースプリングはメインスプリングとは別に装着されるサブスプリングです。主に車高調整式サスペンションに取り付けられます。これにより、サスペンションの調整幅が拡大します。これは異なる二つのバネレートを持つスプリングをサスペンションに取り付けることによります。
メインスプリングとヘルパースプリングの動作については、メインスプリングの方がバネレートが高くなります。したがって、荷重がサスペンションにかかった際には、まずヘルパースプリングが線間密着します。ヘルパースプリングが線間密着するまでの間、合成バネ定数が計算されます。線間密着後はメインスプリングのバネレートが作用します。
合成バネ定数はメインスプリングのバネレートよりも低くなります。そのため、ヘルパースプリングが線間密着するまでは、メインスプリングのバネレートよりも低いばね定数でスプリングが作用します。
メリット
ヘルパースプリングの利点は、車高調整の幅が広がることです。例えば、ヘルパースプリングがない状態では、スプリングに遊びが生じています。これにより、スプリングの機能が損なわれますが、ヘルパースプリングを取り付けることでこの問題が解消されます。
ヘルパースプリングを取り付けることで、合成バネ定数が適用され、乗り心地が向上します。ヘルパースプリングは通常、1G以上の荷重がかかったときに線間密着しています。ストロークが伸び、沈むまでの間、合成バネ定数が作用し、乗り心地が向上します。
競技面のセッティングでは、スプリングの自由長を変更せずに、伸び側のストロークを確保できます。例えば、ダートトライアルやラリーでは、伸び側のストロークも重要です。バンプが多い路面では、ストロークが大きい方がグリップが安定しやすいです。
ヘルパースプリングの欠点は、セッティングを行うのが難しいことです。伸び側のストロークが不足している場合、原因はさまざまです。この問題を解決するための選択肢として、ヘルパースプリングを取り付けることがありますが、必ずしも最適な解決策ではありません。
しかしながら、これらの欠点にもかかわらず、ヘルパースプリングは一般的な用途において優れた製品であると言えます。(例:車高調整、乗り心地の向上)
参考サイト→知っておけばドヤ顔で自慢できるカスタムシリーズ〜ヘルパースプリング編〜
アシストスプリング(サブスプリング)
アシストスプリングは、基本的な役割はヘルパースプリングと同じですが、全日本GT選手権・スーパー耐久シリーズで活躍しているドライバー・エンジニアと共同開発をしてできた商品です。アシストスプリングには、3種類のばね定数設定がありますが、セッティングを容易にするために、自由長及び密着長を同じ高さに設定してあります。密着荷重はそれぞれ異なり、その密着荷重点の違いによりばね特性変化を持たせることによりセッティングの幅を広げます。
ヘルパースプリング(サブスプリング)
ヘルパースプリングは、メインスプリングの上側または下側に取付けてショックアブソーバーに組付けた時のスプリングの遊び防止及びリバンプ側ストロークの確保としての役割をします。ヘルパースプリングの密着荷重は低めに設定されており早めに密着する様にしています。
車高調にハイレートスプリングを装着した場合ストローク量が少なくなり、ショックの伸び切りやタイヤが浮いてしまう症状が現れます。ヘルパースプリングを装着することにより伸び側のストローク量が確保されトラクションアップや車高を下げた際の乗り心地が向上します。
直巻スプリングが遊んでいる状態で使用すると乗り心地悪化や、ショックに大きなダメージを与え、車高調の寿命が短くなります。スプリングが遊んでいるスペースにヘルパースプリングを装着する事により、遊びを解消出来ます。
また荷重がかかっていない状態でメインスプリングが遊んでいる状態の場合、車検NGとなりますので車検対策にも。